著作紹介

これがほんまもんの経営者から

〇 美しいバランスシート


 美しい財務諸表、とりわけ貸借対照表を作ることは大切である。流動資産では、受取手形や売掛金が約定期限内にきちんと回収できるものか常に与信管理を行わなくてはならない。また在庫についても販売できるものを持つことが重要で、販売見通しのないものは早期に処分できる収益力が必要である。こうしたことを経て、支払手形の圧縮や全廃に動くことができれば、筋肉質のバランスシートを作り上げることができる。仮払金や貸付金、立替金、未収金といった勘定科目は減らすようにした方が良い。

  経営を主宰する社長がその生涯を打ち込んできた会社の姿を一番よく表すのが、決算書であり、とりわけ貸借対照表である。きちんとした事業を後継者に残すのも、またM&Aで買っていただくにしても、魅力ある事業を築いた証として、財務を磨くことが大切であろうと思う。経営者は真摯に経営に取り組んできた証をして自信をもってたくさんの役員報酬を取るべきである。貸借対照表は経営者自身の顔と言ってよいくらい、経営者の人柄を表すものである。


〇 経営者の人心掌握術

 経営者は常に学ぶべきだ。だからこそ、謙虚に生きることができて、その経営に対する真摯な姿勢や具体的な成果が世の中の方向と一致することで、多くの人から尊敬される。
 経営者の器以上に事業は成長発展しない、とよく言われる。社員を家族同様に思う気持ちが事業を飛躍させる原動力となることが多い。事業は順調なときばかりではなく、ギリギリまで追い詰められてしまうことだってある。経営が赤字になっても最後に助けてくれるのは社員である。赤字になっても懸命に働いてくれる社員の存在が会社の財産である。会社を経営して社員を抱え、そして社員の家族の生活も背負う人ならば、経営者は毎日のように勉強しないといけない。 

 column 社員とのコミュニケーション

  ・社員の夢を実現するのが経営者

    ・95%はヒアリング能力(現場のニーズを素直に聞き取ることが出来る能力)

  ・良い点を伸ばせば欠点も気にならない、個性の比率を上げる 

  ・片目をつぶってでも育成する