私は中小企業金融公庫(現 日本政策金融公庫)で35年間勤務し、中小企業向けの融資業務や再生支援業務を通じて、全国各地の中小企業経営者の成長と興廃の姿を目の当たりにしてきました。
これからの時代の中小企業経営は、経営者が熱心に事業に取り組むことだけでは成り立たなくなってきています。業績が優秀で注目される経営者にも過去には何度も苦しい峠を越えてきた経験をされているのが実態です。今は経営がうまく回っていても、それが永続するような甘い時代ではありません。
中小企業経営は結局のところ、自社の儲けのみを考えていては成り立たないように思います。優秀な業績を上げておられる経営者には、従業員の人材教育に熱心な方が多いし、また、新しいニーズを探ろうと異業種交流に一生懸命取り組んでおられる方も多い。業界の代表として、地域社会の代表として、自らの事業以外の分野にも社会貢献として頑張っている経営者はたくさんいらっしゃいます。
中小企業経営者は人間的な魅力や器の大きさで勝負している人たちだと私は考えます。成功する経営者のもとには多くの賛同者が集まります。何度挫折を味わっても諦めず努力を行う、リスクをとってチャンスに変えることのできる人間的魅力を備えることこそ、中小企業経営者にとってもっとも大切な要素であると思います。
ところで、事業の成否は資金調達の巧拙にも影響されることがあります。円滑な資金調達のために中小企業経営者が考えるべきことがあると思います。それは日々の会計数字にきちんと向かい合って、今の数字から未来を考えて、経営者しかできない最終決断を行うことに集中することだと思います。
金融機関は経営数字をきちんと把握している経営者を信頼します。月次の試算表をスピーディに作成し、年度の決算を適切・正確に作成することは、経営の信頼性を高めるためにどうしても必要なことであります。金融機関はこうして出来上がってきた会計数字を通して、事業の現在・将来を見ようとします。事業経営者というものを金融機関がいかにして理解するのか、それを深化するには、中小企業経営者と金融機関両者の触媒役たる顧問税理士が担当することが望ましいと思います。企業は適切に成長してゆかなければなりません。経営資源が整っていないのにむやみに焦って売り上げを伸ばそうとしても、それは「成長」とは言わず「膨張」と言います。
「会計で会社を強くする」。私は、経営計画の策定をサポートすることで会社の経営数字を磨き、決算書を磨き、リスクをとれる決断力を支える財務力を磨くためのお手伝いをいたします。公平・適切な観点から長い間融資業務に携わってきた経験をもとに、適切な時期にタイムリーに資金供給がなされること、このプロセスにおいて、事業経営者と金融機関、そして顧問税理士が相互に無駄なく、互いを理解し合える関係つくりをお手伝いします。
税理士 大野 健司
事務所名 | 大野健司税理士事務所 |
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所長名 | 大野健司 |
info@office-oono.com | |
業務内容 |
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熊本大学法文学部法律学科卒 | |
1980年 | 中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)入庫 岡山、福岡、大阪支店長等を経験 |
2013年 | 中小企業事業本部近畿地区統轄 |
2015年 | 5月末をもって日本政策金融公庫を退職 |
~2022年 現在 | (株)経営ソフトリサーチシニアコンサルタント (株)オフィス大野 代表取締役社長 大野健司税理士事務所所長 中小機構アドバイザー |
税理士 大野 健司
■税理士,中小企業診断士,社会保険労務士,行政書士
■ファイナンシャルプランナー,宅地建物取引主任者
■ビジネス法務エキスパート,事業承継アドバイザー,事業再生士補
■メンタルヘルスⅡ種,ITコーディネーター,1級DCプランナー
■「中小企業経営と金融」
■「エクセレントカンパニーの型と技」
■「中小企業のイノベーション戦略」
■「決断を支える財務力」