ステンレス鋼などの特殊鋼鋳造品(各種ポンプ、バルブ、ミキサー部品など)やバーナーノズル(転炉、電気炉、ごみ焼却炉用など)を取り扱う、大阪府茨木市の辰巳工業株式会社様にお話を伺いました。
製品・技術・人柄
つい、ファンになってしまう企業
それが辰巳工業株式会社です
―辰巳工業株式会社を一言で紹介すると?
大野:
鋳物の神様が守っておられる会社で、私にとっては福の神ですね。
「四方よし」という言葉がありますが、事業に真面目に取り組むことで会社に関わるすべての方の幸せを実現しています。そのような会社は非常に珍しいと思います。
―辰巳工業株式会社の強みは何でしょうか。
大野:
最大の強みはオンリーワンであるところではないでしょうか。オンリーワンになるのは簡単なようで非常に難しいことです。何度も新しいことにチャレンジし、たくさん失敗しても諦めず、誰にもできない製品づくりに取り組まれています。錆びにくい合金や硬いのに柔らかい合金等、作られた新しい合金は環境用のプラント等に使用されています。金型事業部門では、高精度の各種金型を設計製造できます。鋳物と金型の異なる事業分野でシナジー効果が発揮されています。
ただ納品するだけでなくアフターサービスも事前に考えていて、新しい発見もくれる。そのどれもが他の会社にはできないことばかり。製品も技術も人柄も素晴らしい。だからみんなファンになってしまうのです。会社は規模が大きいだけではダメで、会社に関わるすべての方を幸せにすることができる会社が良い会社です。それができる会社はなかなかありません。
私だけでなく社員のみんなに
いろんなことを教えてもらいたい
―顧問契約のきっかけは?
辰巳施智子会長:
大野先生は日本政策金融公庫の近畿地区統轄をされていたのですが、ちょうど5年ほど前に退職されるとお聞きして顧問契約のお願いをしました。先生はご経験もたくさんありますし、温かい心でどなたにも親切に接しておられる姿を見ていましたので、ぜひと思って勇気を出してお話ししました。
―お二人の出会いは?
辰巳施智子会長:
先生との出会いは10年近く前にさかのぼります。私もメンバーの1人である女性経営者の会の全国研修旅行があり、そのアテンドをされていたのが大野先生でした。
―大野税理士の印象は?
辰巳施智子会長:
誰に対しても優しく、口は堅く、人柄は素晴らしく、みんなが先生のファンでした。日本政策金融公庫を退職されるとお聞きした時、ここで思い切ってお願いしないとと思い、顧問契約のお話をさせていただきました。私だけでなく社員のみんなにいろんなことを教えてもらいたいと思い、この方に会社を見ていただけたらどんなに素晴らしいだろうという気持ちでいっぱいでした。
我が事のように考えてくれる
ビジネスパートナー
―製造業にとっての税理士とはどんな存在でしょうか?
辰巳施智子会長:
製造業経営者にとって、税理士の先生はビジネスパートナーですね。ただ、大野先生に関しては、税理士の先生というよりはコンサルタントではないかと思っています。税務申告のお願いをしている税理士の先生は以前からいらっしゃいますし、当社はいろんな方にサポートしていただいています。
―セカンドオピニオンとしてのサポートはどうでしょうか?
辰巳施智子会長:
大野先生も税理士としていろいろチェックしてくださっていますし、費目のことも含めてコメントをいただいていますが、トータルコンサルタントとして辰巳工業株式会社をよくしようとしていただいています。
辰巳工業株式会社のことを我が事のように考えてくれる、素晴らしい先生だと思います。だから今日も、辰巳工業株式会社のユニホームを着てお越しになりました。そこまでの気持ちを表してくださる先生は他にもいらっしゃるとは思うのですが、実際にここまで想ってくださる先生となると大野先生はナンバーワン。スーパーコンサルタントですね。
―顧問契約後、社内で変化はありましたか?
辰巳施智子会長:
大野先生のネットワークで中小企業基盤整備機構 の先生方を次々とご紹介いただき、ご指導いただくようになりました。
ITにも積極的に取り組んで、Twitterで情報発信したりもできるようになっています。工程管理、生産管理、製造現場の管理、生産性の向上にも寄与していただける先生方を多数ご紹介いただいたおかげで、順調に進み発展していると思います。先生のネットワークには非常に感謝しています。
―工場内にも変化があったそうですね。
辰巳施智子会長:
大野先生が来られてから、全員の意識も考え方も変わりました。今まで以上にそれぞれが組織として動けるようになっています。技能者が各工程で自分の仕事と他の社員の仕事と分けていたところも、今では前工程があるから後工程があり、後工程があるから前工程があると考えられるようになりました。連携プレーがより強化され、辰巳工業のひとつの製品にみんなが集まるという感じでしょうか。組織として以前からトライはしていたのですが、先生のお力でより組織化され、そして思いやり合いながら働けるようになっています。組織の厳しさがうまく調和され、団結力が生まれました。
―経営面ではいかがでしょうか。
辰巳施智子会長:
経営幹部が世の中の動きを取り入れられるようになったのは、先生が来られてから初めてのことになります。社会の動きが今どうなっているのか、世の中はどうなのかということについて、先生からご指導いただいています。経営幹部全員が経理の数字を理解し共有できるようになったのも大きな変化です。他社の経営の仕方やものの見方をきっちりと教えていただくのも初めての経験でした。先生のご指導のおかげで経営陣の視野が広がった、というのが適切な表現かもしれません。先生は決して押し付けるわけではなく、私たちが自主的に気づいて、学んで前に進めるようにご指導くださっています。私たち自身や会社に息吹を与えてくださったのは大野先生ですね。
世界で必要とされる
最先端のものづくりを
―今後の展望を教えてください。
辰巳毅社長:
まずは人の成長ですね。人が成長しないと会社の成長はないと考えています。人の成長をチームワークにつなげ、そして今度はそれを技術の向上につなげていきたいですね。
いい会社になるために今やらないといけないことは、大野先生にご指導いただいたことを社員みんなに伝えることだと思っています。私たちの仕事は古い産業のようにしか見てもらえなかったりするのですが、辰巳工業株式会社では趣味や生活の必需品、世界で必要とされる最先端のものを作っています。それを社員にも理解してもらいたいし、誇りにしてもらいたい。
一人ひとりが自分たちの仕事に誇りをもてるよう、いかに伝えていくかが大事だと考えています。
―今の日本に必要な、中小企業の経営コンサルとは?
大野:
日本を支えているのは中小企業の経営者ですが、その頑張りは一般の人たちにはほとんど知られていません。
辰巳工業株式会社は環境にやさしいものを製造しています。多くの人が知らなくても作り手は誇りをもって仕事をしていますし、考え方や企業風土がしっかりした会社は規模に関わらず影響力があります。
地域を代表する会社や業界を代表する会社が今の日本を支えていますので、中小企業に寄り添い、本来持っている力を全開にできるお手伝いをすることが私の使命だと思っています。コンサルタントとして、少しでもそんな会社の手助けをできることがうれしいですね。良い会社とお付き合いすることでこの歳になっても気づきや成長がありますし、世の中のためにも役に立つ生き方をしたいと考えています。
また、経営者はいろいろな重荷を背負っています。他の方にはなかなか理解されない苦しみもありますので、しっかりと寄り添っていきたいですね。
辰巳工業株式会社
ホームページ:
http://www.tatsumi-cast.co.jp
本社工場:
〒568-0095 大阪府茨木市佐保48
Tel:072-649-2341 Fax:072-649-0562
亀岡工場:
〒621-0126 京都府亀岡市西別院町犬甘野椎ヶ原46-6
Tel:0771-27-3575 Fax:0771-20-6122